HOME > 虫歯の話

虫歯の話

ph02.gif虫歯とは、正式な医学用語を「齲蝕(症)」といい、英語では、Dental caries,といいます。

虫歯は歯の硬組織(エナメル質・象牙質)が局所的に破壊されていく疾患である。このような歯の硬組織の破壊が起こるのは、まず細菌が歯面に付着し、次いでこれらの細菌が食物中の炭水化物を分解・発酵させ、生じた様々の有機酸(主として乳酸)が硬組織を分解する為と考えられます。

一般的に、次の3つの条件が重なり合ったところに虫歯(虫歯(齲蝕))が発生するといわれます。

1、腔内のStreptococcus mutansストレプトコッカス・ミュータンス
   (ミュータンス菌)を代表とする微生物群(歯垢)
2、その微生物に外から与えられる発酵性の糖質
3、唾液および歯の個性的な性質である

ストレプトコッカス ミュータンス(ミュータンス菌とは?)

酸発酵性の連鎖球菌(連鎖球菌は口腔内での部位のいかんを問わず、もっとも分布比率の高い菌)。虫歯(齲蝕)発生の主役を果たしていると推定され、感染により虫歯を作る。
banner01.gif


原因となる成分の食品における分布

「砂糖」という名のもとに私達は毎日様々な形でスクロースを摂取している。

スクロースはサトウダイコン(甜菜)やサトウキビ(甘蔗)を原料として製造されます。前者には10-17%のスクロースが、後者には15-20%のスク ロースが含まれています。天然に存在する糖の中でスクロースは甘味度が高く、スクロースより甘味度の高い糖はフルクトースです。スクロースを加水分解する とグルコースとフルクトースを生じ、この混合物は「転化糖」と呼ばれ、甘味はスクロースより強いです。食品を食べるときに感じる甘味が、それぞれの食品で 異なるのは、特に天然食品の場合には、スクロース以外にグルコース(ぶどう糖)やフルクトース(果糖)を様々な割合で含んでいるからでる。(甘味の強さも質も異なってくる)

スクロース含量
リンゴ・オレンジ・グレープフルーツ 2-4%
5%前後
キャベツ・ブドウ・チェリー・セロリ 1%以下
食パン 2%
アイスクリーム 10-20%
チョコレート 30-60%

防止または改善するための一般的方策

代用糖と虫歯
古くから糖尿病患者用に安全でかつスクロースに匹敵する甘味を持つ物質の開発は試みられている。この中には、砂糖の代用物と非カロリー性の人口および天然甘味料があります。

ソルビトール:イチゴ類やサクランボ、リンゴ、梅などに含まれている糖アルコールの一種。甘味度はスクロースの約60%であるが、グルコースを高圧化で水素転化したりして比較的安価に工業生産が可能である。カロリー価はスクロースとほぼ同程度である。ソルビトールをはじめ糖アルコールは大量に摂取すると下痢を起こすことがある。ソルビトールは吸湿性が強く、湿潤剤として歯磨きに10%前後含まれている。そして、口腔内細菌によって発酵されにくく、ミュータンス菌のようなソルビトール分解能をもつ菌でも、ソルビトールを分解して酸を産生するには長時間を必要とする。 ソルビトールは、糖尿病患者用の甘味料として使用されているばかりでなく、すでにチューインガムやキャンデー類にも使用され、「虫歯の心配はいりません」といった類の効能書が付いているものもも販売されている。

キシリトール:多くの野菜や果物に含まれており、スクロースと同程度の甘味を持ち、爽やかな感じを与える。ソルビトールと同様、大量に摂取すると下痢を起こす。 キシリトールはスクロースに比べるとプラークを形成する能力が極めて低いという臨床実験がある。それに基づきフィンランドのチュルクで、125人の成人を被験者として大規模な実験が行われた。被験者をキシリトール群52人、スクロース群35人、フルクトース38人に分け、100種ほどの食品にそれぞれの甘味料を用いて2年間経過を観察。キシリトール群は、残り2群に比べて虫歯の発生率が激減することが明らかになった。

サッカリン:スクロースの500倍の強い甘味を持つ。甘味の味の切れが悪く、特有の後味の悪さが残る。ダイエット用の非カロリー性甘味料として清涼飲料水やアイスクリームなどに好んで用いられている。

その他の虫歯を抑制する食物

天然食品:粗糖の方が精製糖に比べて虫歯を発生させる作用が弱いということが何人かの研究者の実験で確かめられている。
例)黒砂糖は精製したスクロースに比べて虫歯誘発能が低い。精製した小麦粉で作ったパンは粗製の小麦粉で作ったパンよりは虫歯誘発能が高い。
例外)天然の蜂蜜やサトウダイコンによる虫歯発生率が高い

脂肪:脂肪あるいは脂肪酸は虫歯の発生を抑制すると考えられている。 この作用については、脂肪がエナメル質の表面の性状を変えるとか、口腔内細菌の発育を抑制するとか、あるいは本来虫歯を誘発する糖質のしめる部分を脂質が取って代わった為虫歯が出来にくくなったとか、多様な説明が可能である。

フッ素:エナメル質表層のハイドロキシアパタイトと反応して、アパタイトの結晶格子を安定させフルオルアパタイトを生じる。従って、口腔内の激しいpHの変化にも抵抗し、エナメル質の脱灰を防ぐ。またそればかりでなく、エナメル質表層における再石灰化を促進している。弱酸によりエナメル質をエッチング処理すると、エナメル質へのフッ素の取り込みが明らかに増加する。また一方、フッ素は宿主の硬組織に対してだけでなく、虫歯菌そのものにも抗菌的に働いている。より低い濃度では、フッ素は連鎖球菌や乳酸桿菌の糖の代謝系(解糖系)を阻害し、酸の産生を抑制する。フッ素がグルコースやフルクトースなどの菌体内への取り込みの過程を妨害するためであると理解されている。


当院よりメッセージ

現在、日本国民の約90%以上が虫歯に悩まされているといいます。虫歯の原因となるミュータンス菌が歯苔の中に常住する為には、まず歯の表面とくに後発部位に接着し、次に他の微生物の間で増殖しなければならず、その接着を助ける物質として知られているものが砂糖です。接着を阻止する為には砂糖の作用を阻害するか、接着面を改変して接着を難しくしなければなりません。もっとも有効な方法は砂糖を食べないことといえましょう。
しかし、小児の情緒的人格形成時の砂糖の効用を考えると、これを完全に食い止めることに弊害なしというわけにはいきません。また砂糖の消費量はその国の気候風土や主に食べる食品の種類と無関係ではなく、社会全体が長い年月をかけて作り上げた食生活文化と栄養の接点として形成された味覚は急に変更は難しいと考えます。無糖はもとより節糖も難しいでしょう。三度の食後や出来る限り間食後の歯磨きを欠かさない他、前述した抗虫歯(齲蝕)性糖質等で代替するなど食事による予防や健康の維持を、予防医学的に考えたいですね。(byHT)

診療時間 10:00〜13:00 14:00〜19:30

新宿高島屋が休日の場合は、当院も休診となります。
新宿駅南口 新宿高島屋10階の好アクセスな診療所です。
虫歯をはじめとした一般歯科、審美歯科、インプラント、ホワイトニング、歯のクリーニングなど、お気軽にご相談くださいませ。

2017年5月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31